大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

東京高等裁判所 昭和53年(く)89号 決定 1978年6月27日

主文

本件抗告を棄却する。

理由

本件抗告の趣意は、弁護人北沢孜外二一名の即時抗告申立書のとおりであるから、これを引用する。

本件記録によれば、被告人は、昭和五一年四月二八日「被告人は、いわゆる革マル派に所属する者であるが、ほか数名の者とともに、いわゆる中核派に所属する者らの生命・身体に対して共同して危害を加える目的をもつて、昭和五〇年七月九日午後一時一五分ころ、東京都千代田区紀尾井町七番地上智大学構内において、多数の二段伸縮式鉄棒を所持して集合し、もつて他人の生命・身体に対し共同して害を加える目的をもつて兇器を準備して集合したものである。」との兇器準備集合の事実につき東京地方裁判所に公訴を提起されたものであるところ、原審は昭和五三年三月二七日、被告人は死亡したものと認められるとして刑訴法三三九条一項四号により公訴を棄却する決定をし、これに対し弁護人らから即時抗告を申し立てたものであることが認められる。

しかし、刑訴法三三九条一項各号による公訴棄却の決定に対しては、その決定の当否に拘わらず、被告人・弁護人から上訴することはできないものと解すべきであつて、同項四号所定の被告人の死亡の場合もその例外をなすものとは解されない。よつて、本件即時抗告は不適法であるから、刑訴法四二六条一項により主文のとおり決定する。

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例